漢方薬方と、その基盤となる生薬への一層の理解には「ナマ」の植物を観察することも大切です。
生きたすがたの薬用植物に接し、植物のかたち、香りを体感しつつ、個々の生薬のはたらき、薬方における作用などの理解を深めます。
漢方生薬の基原となる植物はもちろん、民間薬の原料として伝承されてきた植物、成分を抽出・化学処理して新薬の原料とする植物、また香料・香辛料・染料などに用いる和洋のハーブ類など、さまざまな薬用植物の姿を実際に見る研修の機会を設けています。
今後の漢方知識のレベルアップにぜひお役立てください。
<受付から開会> | |
受付 PECSの運用も2年目に入り、受講生・事務局双方がQRコードの処理等にも手慣れてきました。とはいえ以前のシール配布の時代よりも時間を要します。 |
開会の挨拶 三上正利 会長 |
<座学講義> |
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講義I「ケシ研修」 東京都職員 中村 耕 先生 |
講義II「ムラサキよもやま話 紫草の歴史とロマン」 統括責任者 山上 勉 先生 (下は、園内で開花中のムラサキの花) |
<ケシ類の観察> 講義I「ケシ研修」では座学のあと、栽培試験区へ移動。法による規制・禁止対象となるケシ類および規制のないケシ類の両者を、比較観察しました。 |
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<園内観察> 学術委員による解説を聞きながら、園内に植栽される薬用植物などを観察し、理解を深めます。 |
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漢方薬原料植物区 マオウ(写真手前)、カンゾウ、ナガイモ(サンヤク)、イトヒメハギ(オンジ)、コガネバナ(オウゴン)その他の多種にわたる漢方生薬の基原植物について観察・学習。 |
民間薬原料植物区 サボンソウ(写真手前)、ゲンノショウコ、スイカズラ(キンギンカ・ニンドウ)、オナモミ(ソウジシ)その他について学習。 |
染料香料植物区 和洋のハーブ類が集められたハーブガーデンで、ヘンルーダ(写真手前)、マンネンロウ(ローズマリー)、ハマナス、カミツレなどを観察。 |
有用樹木区・ふれあいガーデン 樹木の薬用植物もいろいろあります。キハダ(オウバク:写真手前)、ナツメ(タイソウ)、オオツヅラフジ(ボウイ)その他を学習。 |
製薬原料植物区 生薬としてではなく、成分を抽出して利用する薬用植物です。ジギトキシンを抽出するジギタリス(写真手前)、アトロピンを抽出するヒヨスなど、有毒植物が多いのが特徴です。 |
有毒植物区 有毒な植物にも薬理効果を示すものがあります。もちろん安易な使用は危険であり、「正しく恐れる」ことを学習しました。 |
<閉会> | |
閉会の挨拶 小根山 隆祥 学術顧問 |