1)実習の手順とポイント 八木学術委員より、具体的詳細な実習手順のレクチャーを受けています。 |
2)ゴマ油の秤量、加熱 日本薬局方ゴマ油を鍋で加熱します。120℃で油中の残留水分を除去します。油の1滴を冷水に滴下したとき、水面に散らずに球形にまとまれば、水分が除去されたと判断できます。 |
3)生薬の秤量 ミツロウ(黄蝋)、シコン、トウキ、豚脂(奇数班のみ)を準備。なお豚脂については下記の(注)も参照してください。 |
4)ミツロウ、豚脂を溶解 100℃まで温度を下げたゴマ油に、ミツロウを塊にならないように加え、完全に溶かします。ついで豚脂を溶かします。 |
5)トウキおよびシコンの抽出 140℃まで加温してトウキを加え、油で揚げるように抽出、次いで120-130℃を保ちながらシコンを加え、油中へ成分を抽出します。 細かい泡が生じるので、吹きこぼれに注意します。温度管理のため棒温度計を挿しておきますが、温度計で撹拌することは禁止です。 |
6)濾過 火(電熱器)から下ろし、ボウルにガーゼを張って、残滓(固形成分)が混入しないよう濾します。 油なので湯気が立ちませんが、100℃を超えているので、火傷しないように慎重に行いましょう。 |
7)冷却、撹拌 冷水濡れタオルにボウルを乗せ、急速冷却しながら、均一に撹拌・混和します。タオルがぬるくなったら再び冷水で絞って、冷たい状態を保ちます。 |
8)練合、容器充填 収量を測定後、軟膏板上で練って脱気します。製造後、隙間を残さないように充填します。 添付文書、ラベル、製造記録書なども速やかに作成し完備します。問合せ先なども記載しておきましょう。 |
9)確認試験 紫雲膏を少量取り、ジエチルエーテルおよび水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加え、試験管の底の方(水層)が青色を呈色することを確認します。これがシコン成分の確認試験となります。 なお、経年した紫雲膏では、外観上は同じように見えても、本試験で青色を呈色せず、使用に適さないことが判明する場合もあります。 |
薬局製剤は、市販にない製剤・剤形や多品種少量生産、使用期限の短いものを迅速に提供でき、提供後の追跡調査もしやすいなど、きめ細かな製剤を実現するとともに、漢方の伝統を守り薬局の価値と信頼度を上げ、患者さんと薬局との距離をいっそう緊密にできるツールです。今日の実習で得たものを元に、さらに各自の創意工夫を加えて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。
日時 2022年 8月27日(第4日曜日) 12:30 ~ 16:00(予定)
場所 東京薬科大学 八王子キャンパス(東京都八王子市堀之内1432-1)
内容 【軟膏】紫雲膏
参加費
年間受講生:1,000円(材料費として当日現金払)
日本漢方協会会員:10,000円(事前振込)
一般の方:15,000円(事前振込)
「年間受講生の方」と、「会員および一般(非会員)の方」それぞれ当てはまる方のQRコードからアクセスください。
受付期間 7月6日〜7月31日厳守
(それ以前/以後にアクセスされましてもお申込みできません)
*この講座は会場開催のみです。Web開講はありません。
最初に東京薬科大学の三巻先生・佐藤先生よりご挨拶を賜りました。 | 開会挨拶ならびに法令・指針解説:三上会長 | 実習の手順とポイント:八木学術委員 |
19班に分かれて、密を避けた体制で実習しました。 | 会場の実習室は各方向の壁面に大型モニターが完備され、どの席からでもスライド等を鮮明に視聴できます。 | 参加者どうしの間隔もじゅうぶん取られています。 |
1) 葛根湯を構成する7味の生薬:カッコン、マオウ、カンゾウ、ショウキョウ、タイソウ、ケイヒ、シャクヤクです。 |
2) 製造記録書の作成:今回も製剤に先立って作成、製造計画書を兼ねた形とし、間違いのない製剤に役立てました。 | 3) 「一括煎じ」秤取と確認試験:A4白紙に、7味の生薬名と、それぞれの秤量を書き込みます。各々の場所に刻み生薬を秤取すると同時に、外観・匂いの確認試験も併せて実施します(味の確認は、感染防止のため観点から今回は任意) |
4) 「先煎」秤取と確認試験(1):葛根と麻黄の2味を秤取し紙へ置きます。確認試験後、和紙袋の下半分に分包します。 |
5) 「先煎」秤取と確認試験(2):残る5味の生薬を秤取し紙へ置きます。確認試験を行い、和紙袋の上半分に分包します。 |
6) 2種類の葛根湯分包:上下に分かれているのが「先煎」対応タイプ。ひとまとまりになっているのが7味が一緒に入っている分包です。(いずれも1日分) |
7) 「先煎」で煎じる:麻黄と葛根の2味の入った袋を先に煎じ始めたところです。奇数班は袋ごと煎じました。鍋の外にある袋が残りの5味で、後追いで加えます。 | 8) 一括で煎じる:偶数班は袋を開けて生薬を直接煎じました。7味の生薬が混然となって煎じられています。 | 9) 濾過、試飲:煎じ上がった煎液は茶こしで濾過して滓などを除きます。左から「一括・袋なし」「先煎・袋なし」「一括・袋あり」「先煎・袋あり」の4パターンの煎液ができました。先煎のほうがやや甘みの強い傾向が感じられる等、味・匂い等の違いを確認しました。 |
1) アセトアミノフェンの粉砕:原薬のアセトアミノフェンは結晶が大きいので、生薬末の粒径と同程度になるように、乳鉢にて粉砕します。乳鉢を扱うときは、乳鉢・乳棒の両方とも手に持って行うことが望ましい動作です。(乳鉢を机に固定して行うと薬剤が乳鉢にこびりつきやすい) | 2) 混和:粉砕済のアセトアミノフェンへ、シャクヤク末、カンゾウ末、および賦形剤としてトウモロコシデンプンをそれぞれ秤量し、同様の動作で乳鉢にて混和します。 | 3) 篩過(しか):#18の篩を5回通し、粒径を揃えてさらに均一に混和されるようにします。 |
4) 分包・封入:玉匙を用いて1.5gずつ分包皿へ小分けし、袋へ移してヒートシーラーでシールします。 | 5) 重量偏差試験:10包作成したものを1包ずつ重量を測定し、平均値を求めて平均値と各包の差を算出します。平均からの重量差10%以上が2包以下、かつ25%以上のものが無ければ合格とします。 | 6) ラベル、添付文書、製造記録書の整備:薬局製剤販売医薬の情報提供は、第1類医薬品に準ずる厳密さが求められています。関連法規や指針に則って、表示、文書、製造記録を完備します。 |
<おわりに>
閉会の辞:三上会長
薬局製剤は、市販にない製剤・剤形や多品種少量生産、使用期限の短いものを迅速に提供でき、提供後の追跡調査もしやすいなど、きめ細かな製剤を実現するとともに、漢方の伝統を守り薬局の価値と信頼度を上げ、患者さんと薬局との距離をいっそう緊密にできるツールです。今日の実習で得たものを元に、さらに各自の創意工夫を加えて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。
日時 2022年 7月17日(第3日曜日) 12:30 ~ 16:00(予定)
場所 東京薬科大学 八王子キャンパス(東京都八王子市堀之内1432-1)
内容
オリエンテーション
製剤実習 【茶剤】葛根湯 【散剤】解熱鎮痛剤8号A
参加費
総合講座受講生 | 1,000円 | Googleフォームにて、出欠をご連絡ください。 (フォーム有効期限:6/30 15:00まで) 6/19総合講座で出欠確認済の方はOKです。 |
日本漢方協会会員 | 10,000円 | 事務局へメールでお申し込み下さい。申込期間:6/20~6/30 |
一 般 | 15,000円 | 同上 |
薬学生 | 7,500円 | 同上 *学生証をご提示ください。 |
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
実習当日のお申込みはできません。
開会の辞:渡辺理事 |
製剤実習によせてご挨拶:今井名誉会長 | 法令および指針の解説:三上会長 |
実習の手順とポイント:八木学術委員 | 1班4名 x 18班に分かれて、密を避けた体制で実習しました。 | 会場の実習室は各方向の壁面に大型モニターを完備し、離れた距離からでも内容を漏らさず学ぶのに適した環境です。 |
1) 原料生薬の検査:各々の刻み生薬について、外観・匂いを確認します(味の確認も必要ですが、感染防止のため今日の実習中は省略)。なお、変色した生薬や異物などがもしあれば、この段階で除去します。 | 2) 製造記録書の作成:今回は製剤に先立って作成して製造計画書を兼ねた形とし、間違いのない製剤に役立てました。 | 3) 秤取:6味の生薬は、製造計画書に記載したのと同じ順番で、1日分ずつ量り取り、重ねないように置いていきます。 |
4) 分包、封入:和紙袋に1日分ずつ分包してヒートシールで綴じます。今回は2日分を製剤しました。外袋は、開封したら容易に元に戻せない形で封をします。 | 5) 煎じ:製剤した茶剤を、各班とも実際に煎じます。 奇数の班は和紙袋から茶剤を出して煎じ… |
6) 偶数の班は和紙袋に入った状態で煎じてみます。 |
7) 煎じ中は蓋をしておきます。今回はアルミ箔を用いました。煎じている時間に、もうひとつの当帰芍薬散の製剤を進めます(詳細下記) | 8) 煎じ上がり:あらかじめ、煎じたあとの分量(今回は250ml)を鍋に入れた状態の水位を、割り箸にマーキングしておき、液量の目安とします。 | 9) 濾過:沸騰が収まったら、熱いうちに茶こしで濾過します。冷めると煎じ滓(生薬)に成分が再吸着して煎液中の成分量が減るとされています。 |
1) 秤取・混和・篩過(しか):量り取った6味の生薬末が均一に混ざるよう、ヘラで混ぜて篩を通す作業を5回繰り返します。篩を振ると細かい粒子が先に落ちて均一になりませんので、篩は振らずにヘラを使って通します。 | 2) 分包:現在は多くの薬局が自動分包機を設置していますが、今回は手作業での分包を体験します。2gずつ(玉匙すりきり1杯が1g)取り分けます。今回は、分3回x3日分として9包を作成しました。 | 3) 封入:ヒートシーラーでシールします。開封がしやすいように余裕を持った位置をシールします。 |
4) 重量偏差試験:1包ずつ重量を測定し、平均値を求めて平均値と各包の差を算出します。この値が0.1(10%)以下であれば合格とします。 | 5) ラベル、添付文書の整備:薬局製剤販売医薬の情報提供は第1類医薬品に準ずる厳密さが求められています。関連法規や指針に則って、表示、文書、製造記録を完備します。 | *生薬を学ぶ*東京薬科大学様のご厚意により原形生薬のサンプルをご用意いただきました。実習の合間に各自で学ぶ時間を設けました。 |
<おわりに>
閉会の辞:小根山学術顧問
薬局製剤は、市販にない剤形や多品種少量生産、使用期限の短いものを迅速に提供するなど、きめ細かな製剤を実現するとともに、薬剤師の手腕発揮の場でもあり、薬局の信頼度を上げ、患者さんと薬局との距離を縮める可能性を持ったツールです。皆さんが今日の実習で得たものを元に、さらに各自の創意工夫を加えて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。
日本薬剤師研修センター、漢方薬・生薬認定薬剤師更新の受講単位が取得できます。
今年度は2年ぶりに開催。 <当帰芍薬散料・当帰芍薬散> を製剤します。
日時 2021年 7月18日(第3日曜日) 12:00 ~ 16:00(予定)*午後のみの開催です。
場所 東京薬科大学 八王子キャンパス(東京都八王子市堀之内1432-1)
内容
オリエンテーション
製剤実習 【茶剤】当帰芍薬散料 【散剤】当帰芍薬散
参加費
総合講座受講生 | 1,000円 | 日漢協通信に同封の参加確認案内にて、出欠をご連絡ください。 |
日本漢方協会会員 | 10,000円 | お申込みは、事務局へご連絡下さい。 |
一 般 | 15,000円 | 一般の方は、6/21以降に事務局へご確認ください。 |
薬学生 | 7,500円 | 6/21以降に事務局へご確認ください。 |
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
実習当日のお申込みはできません。
申込締切 6月24日(木)*受付を締め切りました。
*お申込みの方には、後日詳細なカリキュラム等のご案内をご送付いたします。
お問合せ先
【6/1より移転】一般社団法人 日本漢方協会 事務局
〒130-0026 東京都墨田区両国2-17-19 PAZ両国6階
TEL 03-6659-9980 *移転前後のお電話での問い合わせはご遠慮ください。
メール j.kampo@jeans.ocn.ne.jp (@は半角にて)
開会の挨拶:今井会長 | 薬局製剤の歴史と法規:三上副会長 | 実習のポイント:八木学術委員 |
1) 秤取(ひょうしゅ) 10種類の原料生薬を製造記録書の記載順に並べてから、1日分ごとに秤取します。今回は2日分を製剤しました。 |
2) 秤取した生薬を舟へ置くとき、前の生薬に重ねないように並べて置きます。入れ忘れや重複を回避することができます。 | 3) 分包 和紙袋に1日分ずつ分包します。煎じたとき生薬が膨潤すること、かつ袋内での対流を促すため、余裕を持った位置をシールするのがコツです。 |
4) 煎じ・試飲 役員班にて煎液を用意し、実習参加者全員が試飲しました。車前子を炒って修治したものと修治しないもので香りや風味を比較しました。 |
5) 基原植物の紹介 牛車腎気丸の「牛」は牛膝(ゴシツ)に由来します。役員班にて牛膝の基原植物ヒナタイノコズチを紹介しました。 |
【参考】オオバコ 「車」は車前子、すなわちオオバコの種子を意味します。 「本草綱目」「和剤局方」等では車前子は炒ってから用いると書かれています。炒ることにより種子表面の粘液質が除去され溶出性がよくなる等の理由が考えられます。 本実習ではあらかじめ炒った車前子を材料として準備しました。 |
1) 篩過(しか)・煉蜜(れんみつ)調製 原末を100号のフルイ(呼び寸法150μm)で篩過します。100号を篩過した粉末は日本薬局方に規定された「細末」に適合します。 並行して日局ハチミツを弱火で重量9割に煮詰めた【煉蜜】を調製し、熱いうちに細末と混和します。 |
2) 練合 手の力で60分間練合します。 【そば打ち】の要領で練り続けると、光沢ある滑らかな生地へと変化してきます。 |
3) 予備球 直径約25mmの予備球をつくります。予備球1個が1人分の丸剤となります。 |
4) 製丸 当協会オリジナルの製丸盤および製丸器を用いて、直径5mmの紐状に伸ばし、さらに丸剤の形をつくります。 |
5) ほぼ完成した丸剤 直径約5mmの丸剤ができています。このあと製丸盤でもう一度整形し、整った球形の丸剤に仕上げます。 |
6) 文書等の整備 法規に沿ってラベル、添付文書、製造記録書を作成します。製剤と並行して作成すると時間のムダがありません。 加えて薬局オリジナルの文書も添えると薬局製剤の価値がさらに向上します。 |
<おわりに>
「薬局製剤指針」には、具体的な製造方法は載っていませんが、薬局製剤の実際論では実践向きのメソッドの修得が不可欠です。
この実習でお伝えしている方法論・知見・ノウハウは、当協会の薬局製剤分科会における研究と試行錯誤の上、確立されたものであり、他に類を見ない画期的なものです。
実習を受講された皆さんが、各自の創意工夫を取り入れて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。
日本薬剤師研修センター、漢方薬・生薬認定薬剤師更新の受講単位が取得できます。
今年度は <牛車腎気丸料・牛車腎気丸> を製剤します。
日時 2019年 7月21日(第3日曜日) 午前10:00 ~ 午後5:00頃まで
場所 慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 2号館 2F255・253教室(例年と部屋が違います!)
内容
午前 オリエンテーション
午後 製剤実習 【茶剤】牛車腎気丸料 【丸剤】牛車腎気丸
参加費
総合講座受講生 | 1,000円 | (材料費として) ★受講生の方には、別途出欠席の確認をいたします。 |
日本漢方協会会員 | 10,000円 | (材料費込) |
一 般 | 15,000円 | (材料費込) |
薬学生 | 7,500円 | (材料費込) |
申込方法
郵便局備付けの郵便振替用紙にて、参加費をお振込み下さい。
口座番号:00150-3-603133 名義:一般社団法人 日本漢方協会
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
準備がございますので、実習当日のお申込みはできません。
申込締切 7月1日(月)
*お申込みの方には、後日詳細なカリキュラム等のご案内をご送付いたします。
お問合せ先
一般社団法人 日本漢方協会 事務局
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-11-15
TEL/FAX 03-3805-9140
慶應義塾大学薬学部 小林先生からのご挨拶 | 薬局製剤の歴史と法規:三上副会長 | 実習のポイント:八木学術委員 |
1) 生薬の検査、不適部位の除去 原料生薬の品質は製剤の品質に直結します。におい、味について実際に生薬を口にして確認します。また夾雑物や変色した生薬などがあればこの段階で除去します。 |
2) 秤取(ひょうしゅ) 前述の7味の生薬を規定量ずつ秤取し、粉砕機へ移します。 |
3) 粉砕 粉砕時の熱で生薬が変性しないように間欠的に粉砕します。動作後の粉砕機はしばらく冷やしてから開けます。すぐ開けると生薬末が舞い上がり、収量が落ちます。氷水で冷やしたタオルや保冷剤を巻いて冷却を促進するのも有効です。 |
4) 篩過(しか) #100の細かい篩を全量通るまで篩過します。清潔な手やゴム箆を使いますが、叩いたり押し付けたりしてはいけません。篩に残った粗い部分(篩過残)は粉砕機に戻して粉砕しなおし、再度篩過します。 |
5) 混和・収量測定 前の工程では粉砕されやすい生薬から篩過されて不均一になっていますので、#36の粗めの篩を通し、各生薬を均一に混和します。なおカンゾウは実習時間内に微細粉末を得ることが難しいため今回はカンゾウ末をこの段階で混和しました。 混和物を秤量し、収量を確認します。 |
6) 分包 1人あたり18gを秤取し、これを1包2gずつ9包(3日分)に均等に分け、シールします。分包機を使えば機械任せで簡単な工程ですが、今回は手作業です。 |
7) 重量偏差試験 分包散剤は、重量偏差試験に適合しなければなりません(薬局製剤指針の規定)。20包の平均重量を求め、個々の偏差がその10%以下であれば適合とします。 |
8) 記録 製造記録書に、製造管理に関する事項、および試験結果を記録します。 製造記録書は3年間、販売記録は2年間の保管が義務付けられています。 |
9) 薬研による製剤体験 簡便な粉砕機等が普及する以前はこうして粉末を得ていました。その大変さを全員に実感していただきました。 |
1) 秤取 1日分ごとに原料生薬を秤取します。今回は3日分を製剤しました。 |
2) 秤取した生薬を舟へ置くとき、前の生薬に重ねないように、また作業者からみて遠い方の舟から置きます。生薬の入れ忘れを防止し、違う舟にこぼしたときの回収を容易にするためです。 | 3) 分包 和紙袋へ移し、上部をヒートシールで封します。あまりピッタリで封すると、煎じたとき生薬が膨潤して袋が破れるおそれがあるので、若干の余裕をもった位置をシールします。 |
4) 文書等の整備 ラベル、添付文書、製造記録書を作成します。添付文書の「使用上の注意」などの情報提供が法規に沿っていなければなりません。 さらに「かかりつけ薬局」としての存在価値向上のために、製剤の作用や煎じ方の手順、煎液の保存方法などの解りやすく丁寧なガイドも用意すると良いでしょう。 |
5) 生薬ミニレクチャー 学術委員から今回の原料生薬について講義がありました。講義テーブルでは茶剤も煎じ、試飲も行いました。 |
6) (参考)ウイキョウ 安中散および安中散料の構成生薬のひとつ、ウイキョウ(セリ科)の複散形花序です。 |
<おわりに>
今回は「安中散」の構成生薬で、剤形の異なる2つの製剤を実習しました。
剤形の違いによる工程や服用感の違いを印象的に実感できたことと思います。
異なる剤形の処方を使い分けられることは薬局製剤の利点であり、散剤にあっては微細で均一な粉末を調製できる手腕が問われます。
「薬局製剤指針」には、具体的な製造方法は載っていませんが、実践するには、実践向きの方法論が不可欠です。
この実習でお伝えしている方法論・知見・ノウハウは、当協会の薬局製剤分科会における研究と試行錯誤の上、確立されたものであり、他に類を見ない有意義なものです。
実習を受講された皆さんが、各自の創意工夫を取り入れて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。
日本薬剤師研修センター、漢方薬・生薬認定薬剤師更新の受講単位が取得できます。
今年度は <散剤:安中散 茶剤:安中散料> を製剤します。
日時 2018年 7月15日(第3日曜日) 午前10:00 ~ 午後5:00頃まで
場所 慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 2号館・地下実習室
内容
午前 オリエンテーション
午後 製剤実習 【散剤】安中散 【茶剤】安中散料
参加費
総合講座受講生 | 1,000円 | ★受講生の方には、別途出欠席の確認をいたします。 |
日本漢方協会会員 | 9,000円 | |
一 般 | 15,000円 | |
薬学生 | 6,000円 |
申込方法
郵便局備え付けの振込用紙にて参加費をお振込み下さい。
口座番号:00150-3-603133 名義:一般社団法人 日本漢方協会
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
準備がございますので、実習当日のお申込みはできません。
申込締切 6月20日(水)
お問合せ先
一般社団法人 日本漢方協会 事務局
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-11-15
TEL/FAX 03-3805-9140
*お申込みの方には、後日詳細なカリキュラム等のご案内をご送付いたします。
2018年度製剤実習ご案内(PDF)1) 生薬末の篩過(しか) 粉砕した生薬末をフルイを通して均質化します。 |
2) 練蜜の調製 局方規格ハチミツを弱火で煮詰め、適切な粘度にします。 |
3) 混合 練蜜が熱いうちに生薬末と混合します。 |
4) 練合 手で練り合わせ、滑らかに仕上げます。 |
5) 製丸 当協会オリジナルの製丸盤を使用して丸剤を整形します。 |
6) 完成 ベタつかず光沢のある丸剤に仕上がれば成功です。 |
1) 秤量 1日分ごとに秤量します。生薬を重ねずズラして置くことで、入れ忘れや重複等の事故を防げます。 |
2) 分包 和紙袋へ移し、再度重量を確認後、ヒートシールで封します。 |
3) 文書等の整備 ラベル、添付文書、製造記録書をすみやかに作成します。 |
日本薬剤師研修センター、漢方薬・生薬認定薬剤師更新の受講単位が取得出来ます。
今年度は <丸剤:八味地黄丸 煎剤:八味地黄丸料> を製剤します。
日時 平成29年 7月16日(第3日曜日) 午前10:00 ~ 午後5:00頃まで
場所 慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 2号館・地下実習室
内容
午前 法令とオリエンテーション
午後 製剤実習 【丸剤】八味地黄丸 【煎剤】八味地黄丸料
参加費
総合講座受講生 | 1,000円 | ★受講生の方には、別途出欠席の確認をいたします。 |
日本漢方協会会員 | 9,000円 | |
一 般 | 15,000円 | |
薬学生 | 6,000円 |
申込方法
郵便局備え付けの振込用紙にて参加費をお振込み下さい。
口座番号:00150-3-603133 名義:一般社団法人 日本漢方協会
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
準備がございますので、実習当日のお申込みはできません。
申込締切 6月26日(月)
お問合せ先
一般社団法人 日本漢方協会 事務局
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-11-15
TEL/FAX 03-3805-9140
実習のポイント:八木学術委員 | 薬局製剤をめぐる動向:三上副会長 | 講義の間に、実習室では準備が完了しました。 |
1) 生薬の検査、不適部位の除去 原料生薬のチェックにより、製剤の品質が担保されます。ソヨウの茎、コウブシのヒゲ根、そのほか変色やしなびた部分を除去します。 |
2) 秤量・混合 各班、30日分の生薬(合計180g)を秤量、混合し、粉砕機へ移します。 |
3) 粉砕 粉砕時の熱で生薬が変性しないように行います。動作後の粉砕機はしばらく冷やしてから開けます。すぐ開けると、生薬が飛散し収量が落ちます。 |
4) 篩過(しか) 100メッシュの篩をほぼ全量通るまで篩過します。篩過残は再度、粉砕し篩過します。 |
5) 混和 粉砕されやすい生薬から篩過されて不均一になっていますので、粗めの篩を通し、各生薬を均一に混和します。 混和物を秤量し、収量を確認します。 |
6) 分包 1包2gずつ取り分け、シールします。分包後、各包を秤量し、均等にできていることを確認します。 |
1) 秤量 1日分ごとに原料を秤量します。 構成生薬および比率は同じですが、1日分の生薬量は、香蘇散よりも多く必要です。 |
2) 秤量した生薬を舟へ移すとき、前の生薬に重ねないようにします。重ねてしまうと、量り漏れがあったとき確認し難くなります。今回は3日分を製剤したので、舟は3つです。 | 3) 分包 和紙袋へ移し、再度重量を確認します。上部をヒートシールで封します。 |
4) 文書等の整備 ラベル、添付文書、製造記録書をすみやかに作成します。 製造記録書は3年間、販売記録は2年間の保管が義務付けられています。 |
5) 煎じてみます 各班用とは別に、試飲用の香蘇散料も製剤しました。煎じ器へ入れるとソヨウの赤紫色がすみやかに溶出し、やがて褐色の煎液となります。 |
6) 試飲 香蘇散料の煎じ液と、香蘇散を飲み比べ、味や服用感の違いを体感しました。 |
<懇親会>
実習終了後は、例年通り懇親会を開催し、漢方談義の楽しいひとときとなりました。
<おわりに>
今回は「香蘇散」の範疇で、剤形の異なる2つの製剤を実習しました。
煎じ薬の「香蘇散料」は、マイルドな飲み口で、簡便な工程で製剤できる良さがあります。
一方、古典に忠実な散剤の「香蘇散」は、生薬の成分を余さず服用でき、そのぶん、少ない生薬量で同等の効果が得られます。
(香蘇散は、香蘇散料の6割の生薬量で、同じ日数分を製剤できます)
剤形の違いによる工程や服用感の違いを印象的に実感できたことと思います。
「薬局製剤指針」には、具体的な製造方法は載っていませんが、実践するには、実践向きの方法論が不可欠です。
この実習でお伝えしている方法論・知見・ノウハウは、当協会の薬局製剤分科会における研究と試行錯誤の上、確立されたものであり、他に類を見ない有意義なものです。
実習を受講された皆さんが、各自の創意工夫を取り入れて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。
日本薬剤師研修センター、漢方薬・生薬認定薬剤師更新の受講単位が取得出来ます。
今年度は <丸剤:響声破笛丸 軟膏:中黄膏> を製剤します。
日時 平成28年 7月17日(第3日曜日) 午前10:00 ~ 午後5:00頃まで
場所 慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 2号館・地下実習室
内容
午前 法令とオリエンテーション
午後 製剤実習 【散剤】香蘇散 【茶剤】香蘇散料
参加費
総合講座受講生 | 無料 | ★受講生の方には、別途出欠席の確認をいたします。 |
日本漢方協会会員 | 9,000円 | |
一 般 | 15,000円 | |
薬学生 | 6,000円 |
申込方法
郵便局備え付けの振込用紙にて参加費をお振込み下さい。
口座番号:00160-4-40543 名義:日本漢方協会
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
準備の都合上、実習当日のお申込みはできません。
申込締切 6月30日(木)*締め切りました
お問合せ先
日本漢方協会 事務局
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-11-15
TEL/FAX 03-3805-9140