一般社団法人 日本漢方協会一般社団法人 日本漢方協会

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漢方薬局製剤実習講座が開催されました

2025.02.17(月) 掲載

2025年2月16日(日)、56名の参加者を迎え、東京薬科大学 八王子キャンパスにて薬局製剤実習が開かれました。
当協会の22名のスタッフ陣がサポートする中、当日は10の班に分かれて、楽しくも有意義な実習となりました。

先生方よりご挨拶・講義・オリエンテーション

「漢方の歴史」三上会長


東京薬科大学の三巻先生・佐藤先生よりご挨拶を賜りました。毎年、製剤実習の会場使用をご快諾頂き、この場を借りて御礼申し上げます。
冒頭1時間は座学講義です。「漢方の歴史」を三上会長が、また製造手順の説明を、八木学術委員が担当しました。
薬機法や薬局製剤指針に則り、医薬品を製造するために知っておくべき事項と、実際の製造手順において必須となる実践的なノウハウの両面を、学んでおきます。

【丸剤】理中丸の製剤実習

練合

製丸に向けて小分け



製丸器を用いて丸剤をつくる



理中丸は、ニンジン・カンゾウ・ビャクジュツ・カンキョウの4味の生薬からなる処方です。これらの均一な混合生薬末を得た後、結合剤としてハチミツを煮詰めた練蜜と混和し、よく練り上げ、整形・製丸します。
光沢と伸びのある、均一な練合物の製造が決め手となります。

【茶剤】人参湯の製剤実習

人参湯の生薬の秤量

文書の整備



理中丸と同じ4味の生薬の「刻み」から人参湯も製剤し、剤形と作用の違いについて考察しました。
理中丸・人参湯とも、製造の空きタイミングなどを活用して、添付文書・ラベル・製造記録書等を速やかに作成し完備します。
画像にも若い面々が見えていますとおり、薬学を志す学生の方も、7名が出席されました。日常の講義や実習、あるいは研究サークルの活動等でも、丸剤の製剤を実際に手掛ける機会はなかなか無く、貴重な経験であったと語ってくださいました。

薬局製剤は、市販にない製剤・剤形や多品種少量生産、使用期限の短いものを迅速に提供でき、提供後の追跡調査もしやすい等の利点があります。
きめ細かな製剤を実現するとともに、漢方の伝統を守り薬局の価値と信頼度を上げ、患者さんと薬局との距離をいっそう緊密にできるツールとなり得るものです。
今日の実習で得たものを元に、さらに各自の創意工夫を加えて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。

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