最新の記事はこちらの本編にございます。
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会長挨拶:今井会長(左) 本物の漢方薬を製剤する価値、当実習の意義についてお話がありました。 |
法規編:三上副会長 薬事法改め現在の薬機法に至る法令・公定書の変遷と、コンプライアンス上注意すべき点の講義です。 |
実習のポイント:八木学術委員 失敗せず、ケガなく安全に良い薬をつくるコツや注意点についての具体的なアドバイスです。 |
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1) 生薬の確認検査 漢方薬局製剤の品質検査は、原料生薬の入念な検査により補完されるものと考えられます。製剤用から取り分けた、確認用のサンプル生薬を用意して行いました。 |
2) 秤量 ハッカ、アセンヤク、レンギョウ、カシ(ミロバラン)など9味の生薬を秤量します。 |
3) 粉砕・篩過(しか) 粉砕時の熱で生薬が変性しないよう慎重に行います。100メッシュの篩をほぼ全量通るまで粉砕と篩過を繰り返し、篩過後に秤量して収率を確認します。 |
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4) 練蜜の調製 上記1)〜3)の工程と並行して、局方規格ハチミツを、重量10%減となるまで弱火で煮詰めておきます。火が強いと変質(カラメル化)してしまうので注意。 煮詰めることで糖度と浸透圧が高まり防腐作用を発揮し、また粘性が高まることで賦形剤および徐放剤としての機能を果たします。 |
5) 混合 粉砕・篩過・秤量した混合生薬末へ、規定の重量%範囲内の練蜜を、熱いうちに混合します。具体的な量は温度・湿度等を考慮して微調整します。 |
6) 練合 清潔な手で60分間。力の要る工程ですので交代しながら行いました。 「そば打ち」同様、最初はなかなかまとまらず苦労します。様子を見ながら、必要であれば練蜜を若干量増量します。 |
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7) 製丸準備 取り分けた予備球から、製丸盤を使用して生地を伸ばしていきます。太さが不均一ですと丸剤重量のばらつきの原因となるので、均一な太さとなるよう努めます。人によってはノギスの読み方の復習も…。 |
8) 製丸 手に持っているのは当協会オリジナルの製丸器です。きれいに製丸できました。ベタつかず光沢のある丸剤に仕上がれば成功です。 |
9) 製造の記録 製造記録書と添付文書の作成です。製造販売する医薬品に関する記録は、3年以上保存しなければなりません。 忘れがちですが、適切な製造管理と品質管理、コンプライアンスのためにも速やかな作成を励行しましょう。 |
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1) 基剤の調製 日局ゴマ油を秤量後、弱火で加熱し、残存する水分を除去します。油ですので火力が強いとすぐに温度が上がってしまいます。脂質の変性を抑えるため、100℃を超えないよう注意します。 温度を保ちながら、秤量済のサラシミツロウを溶解します。 |
2) 濾過 清潔な濾過布を用いて、スピーディに行います。冷えるとミツロウの固化が始まり通りにくくなります。 |
3) 生薬末を加える 濾過済みの基剤へ、秤量済のウコン末およびオウバク末を加えます。どちらの生薬も黄色ですので、製剤は濃い黄色を呈します。 |
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4) 混合 基剤中の生薬末は、微視的に見ると固体のまま分散しています(溶けてはいない)。沈殿を防ぎ、均質な軟膏を得るためによく混合します。冷えるとともに、次第に固くなってきます。 |
5) 混合・充填 ホイップしているように見えるかもしれませんが、逆です。空気を抜くように混合し、軟膏ケースへ充填します。充填時も気泡が入らないように注意。 |
6) 完成 ラベル、添付文書、製造記録書もすみやかに完備します。 |
<懇親会>
実習終了後は、例年通り懇親会を開催し、自己紹介や反省点、漢方談義などを楽しく意見交換しました。
<おわりに>
「薬局製剤指針」には、具体的な製造方法は載っていません。
しかし、薬局製剤業務を遂行する上で、具体的・実践的な知見やノウハウが当然不可欠です。
この実習でお伝えしている知見・ノウハウは、当協会の薬局製剤分科会における研究と試行錯誤の上、確立されたものであり、薬局製剤の普及と伝承の上で類を見ない有意義な知見と考えています。
各薬局が地域住民の健康に資するため、この実習で学んだ内容をぜひ活用いただければ、また薬局勤務でない皆様も、日頃の、あるいは将来の業務へ役立てていただけることを願っております。
日本薬剤師研修センター、漢方薬・生薬認定薬剤師更新の受講単位が取得出来ます。
今年度は <丸剤:響声破笛丸 軟膏:中黄膏> を製剤します。
日時 平成27年 7月19日(第3日曜日) 午前10:00 〜 午後5:00頃まで
場所 慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 2号館・地下実習室
内容
午前 法令とオリエンテーション
午後 製剤実習 【丸剤】響声破笛丸 【軟膏】中黄膏
参加費
総合講座受講生 | 無料 | ★受講生の方には、別途出欠席の確認をいたします。 |
日本漢方協会会員 | 8,000円 | |
一 般 | 15,000円 | |
薬学生 | 6,000円 |
申込方法
郵便局備え付けの振込用紙にて参加費をお振込み下さい。
口座番号:00160−4−40543 名義:日本漢方協会
★お申込みの方には、後日カリキュラム等詳細のご案内をお送り致します。
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
準備の都合上、実習当日のお申込みはできません。
申込締切 6月30日(火)
お問合せ先
日本漢方協会 事務局
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-11-15
TEL/FAX 03-3805-9140
印刷に便利なPDFもどうぞ。(内容は上記と同じです。)
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司会進行:杉山常務理事 | 会長挨拶:飯島会長 | 薬局製剤の法的位置づけの変遷、法令遵守のポイント、薬局製剤を行う上で必須の届出事項や設備等の説明:三上副会長 |
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本日製剤する処方についての知識および実習上のポイント:八木学術委員 細かな注意点も丁寧に説明いただき、午後の実習に役立ちました。 |
ハンゲの修治(八木学術委員):乾姜人参半夏丸の製剤に際し、ハンゲの刺激性の除去は重要であり、効果的な修治方法に関する検討過程も講義いただきました。 | 講義の間に、実習室では準備万端。あとは実習開始を待つばかり。 |
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1) 生姜(野菜のショウガ)はよく洗って、ヒゲ根や砂などが残っていれば落としておきます。 | 2) 生姜汁を得るため、すりおろします。ここまでは調理と同様です。 薬食同源ですね。 |
3) 生薬の品質は、製剤の品質に直結します。 秤量する前に、各生薬の匂い、味、異物などを、日本薬局方の記載に則って確認します。 |
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4) 混合末の調製。カンキョウ30g、ニンジン30g、修治ハンゲ60gを秤量し、粉砕します。 粉砕機が熱を持ったまま粉砕を続けると生薬が変質するので、触って温度を確かめながら、徐々に粉砕します。 |
5) 篩過(しか)。100号の篩を通るまで細かくします。通らないものは再度粉砕します。根気の要る作業です。 全量、100号篩を通した後、35号篩を用いて3種類の生薬を均一に混合します。 |
6) 結合剤の調製。生姜汁に餅米の粉を加え、弱火で加熱し糊状にします。 |
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7) 得られた混合末の重量と等しい重量の生姜汁米糊を量り、熱いうちに合わせます。正確さと迅速さが要求されます。 | 8) 練合。両手で体重をかけながら30分間練ります。班のメンバーと交代しながら、仲良くやっています。 | 9) 直径30mmの予備球を作成します。乾きやすいので、次工程までラップで包んでおきます。 |
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10) 予備球を細長く延ばし、1丸約0.2gの球形の丸剤に仕上げます。 | 11) ステンレス製の製丸器を使って、きれいに製丸できました。 | 12) 完成。本来は一晩乾燥工程を要しますが、実習時間の都合上、ご帰宅後に乾燥していただきます。 |
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1) まず、キョウニン、カンゾウ、セッコウを秤量します。 | 2) 和紙袋へ移し、ヒートシーラーで封をします。 | 3) 逆さにして、こぼれてこなければ大丈夫。 |
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4) 次にマオウを秤量し、先ほどの和紙袋の上半分へ封入します。 |
5) 仕上がり状態。下段にキョウニン、カンゾウ、セッコウが入っており、上段にマオウが入っています。 | 6) 実際に煎じてみます。これは自動煎じ器による煎じの様子。 袋を2つに切り離し、マオウの袋を先に煎じ、上沫を去り、残りを加えて煎じます。 |
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7) こちらの班は土瓶で煎じています。 皆様手際よく、既におおよその工程を終えて、余裕の表情ですね。 |
いずれの製剤も、処方名の表示ラベル、添付文書および製造記録書を完備して初めて完成です。他の工程の合間に進めるのが時間節約のコツです。 |
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田口理事が、生きた基原植物と標本をご用意下さいました。 | 実習の合間に学びます。 | カラスビシャク(サトイモ科) ハンゲの基原植物です。薬用にする部分は、土の中にあります。 |
今年度は <煎剤:麻杏甘石湯 丸剤:乾姜人参半夏丸> を製剤します。
日時 平成26年 7月27日(第4日曜日) 午前10:00 〜 午後5時頃まで
【ご注意】開始時間が変更となりました。10:20→10:00
場所 慶應義塾大学薬学部・芝共立キャンパス 2号館・地下実習室
内容
午前 薬事法とオリエンテーション
午後 製剤実習 【煎剤】麻杏甘石湯 【丸剤】乾姜人参半夏丸
参加費
総合講座受講生 | 無料 | ★受講生の方には、後日出欠席の確認をいたします。 |
日本漢方協会会員 | 8,000円 | |
一 般 | 12,000円 | |
薬学生 | 6,000円 | ★学生料金新設!薬学生の皆様、ぜひご参加ください! |
申込方法
郵便局備え付けの振込用紙にて参加費をお振込み下さい。
口座番号:00160−4−40543 名義:日本漢方協会
★6月15日総合講座受付にてお申込みも出来ます。
★お申込みの方には、後日カリキュラム等詳細のご案内をお送り致します。
【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。準備の都合上、実習当日のお申込みはできません。
申込締切 7月10日(木)
問合せ先
日本漢方協会 事務局
〒116-8571 東京都荒川区東日暮里4-4-10 (株)ウチダ和漢薬内
TEL/FAX 03-3805-9140
→上記ご案内の印刷用PDFもございます。←6/20 開始時間の変更につき差し替えました。
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概論、法規等の説明 (三上副会長) |
製剤の手順説明 (今井理事) |
講義の間に、実習室では各グループのリーダーとサブリーダーが器具や材料の準備を進めます。 |
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1) 生薬を秤量し、混合末を調製します。トウニン(桃仁)は塊になりやすいので、少量ずつ混合し、篩過・粉砕を繰り返します。 | 2) 蜂蜜を弱火で煮詰め、煉蜜を調製します。 | 3) 煉蜜を秤量し、混合末と合わせます。 |
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4) 錬合。手で60分間練ります。 | 5) 20g重の予備球を作成し、徐々に細長く伸ばしていきます。 | 6) 規定の細さになっているか、直径を測定します。 |
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7) 製丸器で同じ大きさの丸剤に切り分けます。 | 8) さらに整形し、球形にします。 1丸あたりの重量が規定どおりにできているか、確認します。 |
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1) 桂枝茯苓丸を錬合している間に、排膿散を製剤します。まず生薬を秤量します。 | 2) 生薬を混和し、粉砕機・ミキサー等で粉砕します。 篩を通すためには丁寧に粉砕する必要があります。 |
3) 分包機を用い、包装します。 |
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4) 手作業での分包も実習します。 | 5) 手作業の場合はヒートシーラーで包装します。 | いずれの製剤も、処方名等のラベルを表示し、添付文書を添えて完成です。 製造記録書も速やかに作成します。 |
ご参加の方は、お送りいたします「案内」を必ずご覧くださいますよう、お願い申し上げます。